「地球温暖化は自然の流れだ」「太古から気候は変動してきた」──そんな言葉で、いま私たちが直面している気候危機を“過去の出来事”と同一視しようとする声もある。しかし、現代の地球温暖化は単なる自然現象ではない。これは人類が引き起こした「人災」である。
かつてなかったペースで進む気温上昇、極端気象の多発、海面上昇、氷河の融解──すべての根本には、人類によるCO₂排出と自然破壊がある。特に産業革命以降、化石燃料の大量消費によって大気中の温室効果ガス濃度は劇的に増加。地球の気候システムは、もはや自然回復できないほどのストレスを受けている。
そしてその影響は「環境」だけにとどまらない。洪水や干ばつが農業を破壊し、感染症が拡大し、国を追われる「気候難民」も急増している。つまり、温暖化は経済問題であり、安全保障問題であり、人権問題でもあるのだ。
私たちは加害者でありながら、同時に被害者でもある。だが、だからこそ未来を変える責任と力がある。
重要性の理解、現状把握、そして対策。
その一つひとつが「災い」を止める手段になりうる。
地球温暖化は止められる。ただし、「他人任せ」では絶対に止まらない。それが「人災」であるという現実から、私たちはもう目を背けることはできない。
【筆者】 編集部スペシャル
INVESTOR PRESS 編集部
資本家 / 政策プランナー / 官民連携スペシャリスト / データサイエンティスト など