組織を強くするのは戦略や制度だけではない。日々の「対話」こそが、組織の空気を変え、部下のやる気を引き出す。とりわけ優秀な部下を抱えるリーダーにとって、マネジメントの成否は、どんな言葉を投げかけるかにかかっている。
褒める・讃える・感謝する
優秀な部下は、自ら考え、成果を出すことができる。だからこそリーダーが忘れてはならないのは「承認の言葉」である。
•「よくやってくれました」「助かりました」という一言が自信を育み、次の挑戦につながる。
•「◯◯さんの取り組みがチームを前進させた」と讃えることで、部下は組織への貢献を実感する。
•「ありがとうございます」と感謝を示せば、信頼関係はさらに深まる。
このシンプルな積み重ねが、組織を変える力になる。
知識の誇示よりも、対話の魅力
上司が「すべて知っている」「わかっている」と振る舞えば、部下は対話の魅力を感じない。優秀な人材ほど「自分の意見が尊重されているか」を敏感に察する。リーダーに求められるのは、全知全能を装うことではなく、共に考える姿勢である。
プライドとリーダーシップ
一人で完結する専門職ならば、高いプライドをもって働けばよい。しかし組織を率いるリーダーに必要なのは、むしろ「プライドの使い分けのできる力」である。単純なプライドを優先すれば、部下がやる気を無くし、才能を発揮できない。柔軟さと謙虚さがリーダーの最大の武器となる。
部下の見極めと差別化
そして重要なのは、部下の力量を見極めることである。優秀な部下には褒め・讃え・感謝の言葉が大きな力になるが、能力が十分でない部下に同じ対応をすれば「それで満足してしまう」危険がある。成長を止め、自分の世界観だけで動き、組織にプラスをもたらさなくなる可能性がある。
したがってリーダーは、優秀な部下には自由と承認を、伸び悩む部下には具体的な課題設定と伴走を提供する必要がある。
まとめ整理
リーダーにとってのマネジメントは、単なる指示や管理ではなく「言葉による投資」である。
褒める、讃える、感謝する。
たった一言で、部下の心は動き、組織は変わる。優秀な人材をさらに伸ばすかどうかは、リーダーがどんな対話を生み出せるかにかかっている。
【筆者】 編集部スペシャル
INVESTOR PRESS 編集部
資本家 / 政策プランナー / 官民連携スペシャリスト / データサイエンティスト など