日々、賑わいを見せる新興市場の中に、バイオ系や創薬系企業が散見される。これらの企業の多くは、財務諸表を見てみると上場時から赤字経営を続けている企業も多い。
バイオ系や創薬系企業が赤字でも上場できる理由は、投資家からすればまるで夢物語のような話だ。新薬開発という壮大な挑戦を抱えながら、彼らは時に赤字の経営を突き進み続けているが、実はそこには東京証券取引所に上場するための特別な審査基準が存在しているのだ。
この基準は、事業計画の合理性を求める。開発中の製品が客観的なデータに基づいて評価され、実現可能性が認められる必要がある。また、投資家に対してリスク情報を透明に開示することも求められ、これにより投資家は投資判断がしやすくなる。さらに、各企業のビジネスモデルに応じて柔軟な審査が行われるのも特徴だ。
Chordia Therapeuticsが東京証券取引所グロース市場に上場(2024年6月14日)したのは、この特別基準の恩恵を受けた一例である。彼らは武田薬品からスピンアウトした企業で、上場時には赤字を抱えていたが、市場の活況と高まる投資家の関心が後押しとなった。開発中のフラッグシップ・パイプラインへの期待が高く、事業計画の合理性が認められたことも大きい。
透明性を確保し、リスク情報を適切に開示することで、Chordiaは投資家に誠実な姿勢を示した。これにより、安心して投資を行う環境が整ったのだ。
結論として、バイオ系や創薬系企業が赤字でも上場できるのは、特別な審査基準と企業の努力によるものと言える。夢を追い求める中で、現実を見据えた計画を立て、透明性を持って投資家と向き合う姿勢が、彼らを上場へと導く。夢の中でさえ、現実を忘れずに生きることが成功への道を開くのだ。
【筆者】 岩崎 勇一郎
INVESTOR PRESS 編集長
データサイエンティスト / 経営学とデータサイエンスでJリーグクラブなどの組織戦略と人財スカウト戦略を設計/ 早稲田大学卒・大学院修了、MBA(経営学修士)および工学博士(遺伝子工学)
Twitter:https://twitter.com/iwasaki_wu
サッカーデータサイエンス系執筆
